リアライズブログ

多様なエンターテイメントが出現して本があまり売れない時代となりましたが、本を読む習慣を持つことは大切なことだと思います。文芸作品を中心にジャンルを問わず読んだ本を紹介していきたいと思います。

積ん読本が増えていく

昨日、近所にある紀伊國屋書店で13冊の書籍を購入しました。

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夏は角川文庫のカドフェス、新潮社文庫の100冊、集英社文庫のナツイチといったキャンペーンが目白押しでどこの書店でも入り口にずらーっと文庫が平積みされているのでついつい買いたくなってしまいます。

僕は特に欲しいというわけではないのですが、ブックバンドやうちわ栞といったグッズが貰えるのも嬉しいところです🎵

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それはともかく、読書家あるあるだと思うのですが、書店に行くとついつい本を大量購入してしまい、部屋にまだ読んでいない積ん読本がどんどんたまってきています。

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他の、例えば服とか外食とかにはあまりお金を使いたくないのにどうして本だけこうも衝動買いをしてしまうのか…。

買ったはいいけど、読みはじめて失敗だったと思う本も結構あるんですが、どうしても止められません。

一種の買い物依存症かもしれないとも思うのですが、ブランド品のような高額なものでもないし、自分への投資だと思って勝手に納得しています。

日本中の買い物依存症の人達が本の大量購入に走れば出版界も活気が戻るのになんて良くないことをついつい考えてしまう今日この頃です💧

青春恋愛小説2冊目 「いなくなれ、群青」河野裕(新潮文庫)

真っ直ぐで美しく、ちょっぴり悲しくて切ない青春小説です。

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調べてみたら超有名な小説だそうで、恥ずかしながら、読書メーターで読んでみたい小説ランキングで一位をとったり映画化されていることも知りませんでした💧


魔女が支配する階段島という架空の島が舞台なのでファンタジーに分類されるのかもしれないけれど僕は敢えて青春小説のジャンルに分類したいと思いました。

思春期に誰もが経験する悩みや葛藤をファンタジー的な要素も交えて幻想的に描いたストーリーに強く惹かれました。



捨てられた人々が住むという魔女が支配する階段島にやって来た主人公の高校生七草は漠然とした不安を感じつつ、停滞した中にもささやかな安らぎを感じて平穏な生活をおくっていた。

そんなある日海沿いの道で幼なじみの少女真辺由宇と再会。

真っ直ぐで正しく、凛々しい彼女との再会が七草の生活を一変させ色々な騒動や事件に巻き込まれていく。



高校生なのに達観していてどこか諦めているような少年七草が曲がったことが嫌いで間違ったことは正さないと気がすまない少女真辺由宇に苛立ち、振り回されながらも寄り添っていく姿が健気で共感を覚えました。

それが七草や真辺由宇がこの島にやって来た理由の伏線にもなっていてその理由が悲しくて切ないです。

階段島に住む人々はなぜこの島にやって来たのか、なぜ島から出られないのか、島を支配する魔女とは誰なのかなど謎も多くて、ミステリーの要素が多いのもこの作品の魅力になっています。

そして、僕が一番魅力を感じたのは作品中に散りばめられている情景描写です。


島の様子や海、空といった物語のなかの風景が詳しく描かれていて登場人物がどんな場所、どんな状況にあるのかがありありと頭に浮かんできました。

特に、タイトルに群青があるせいか、夜景や夜空の描写が多くてこの作品が幻想的な絵画に描かれているようなイメージを僕は持ちました。

「いなくなれ、群青」という不思議なタイトルの理由が解ったときのなんとも切ない気持ちは忘れられません。



この作品はシリーズ化されていて全部で六作品あるようなのですが、タイトルにそれぞれ白だの赤だのと色がが付いているので作中でどの様に関わってくるのか気になります。

全部読破したて確かめてみたいと思いました🎵


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「いなくなれ、群青」河野裕(新潮文庫)

「いなくなれ、群青」とても不思議なこのタイトルと、近くの文字がピンぼけしていて、凛とした美少女が佇んでいるこれまた不思議なイラストに惹かれて購入しました。

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まだ読んでいる途中ですがファンタジー、ミステリー、青春といった要素が合わさっていてストーリーの先が気になって仕方ありません。


また、台詞の言い回しが独特でいい言葉があちこちに散りばめられています。


また、情景描写に力が入っていて夕焼けや夜空、海の風景などが美しく描かれているのも魅力に感じます。


「いなくなれ、群青」とはどういうことなのか、何かの比喩なのかファンタジー的な怪物でも出てくるのかタイトルの意味もとても気になります。


早く読み終わりたい。

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青春・恋愛小説1冊目「本日は、お日柄もよく」 原田マハ (徳間文庫)

僕は原田マハさんの「楽園のカンヴァス」という作品に出会って以来彼女の作品に興味が湧いて何冊か読んできました。


原田マハさんの小説はどれも冒頭から作品の世界に引き込まれて、先が気になってしょうがないから最後まで一気読みしてしまいます。


だから全作品を読んでみたいと思うようになったのでこの作品もその一環で購入しました。

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今まで読んできた作品は「暗幕のゲルニカ」、「たゆたえども沈まず」、「リーチ先生」など絵画や陶芸といったアートをテーマにした作品が多い印象でした。


この前読んだ「風神雷神」も俵屋宗達が主人公のアートがテーマの作品でした。


でも、この「本日は、お日柄もよく」はアートとは関係がなく、スピーチライターという日本ではあまり馴染みのない職業に焦点を当てたお仕事小説です。


結婚式での友人のスピーチから大会社の社長や政治家の演説までその内容を考えて話し方をレクチャーする仕事です。


普通のOLだった主人公の二ノ宮こと葉が伝説のスピーチライター久遠久美との出会いをきっかけに人間的にも女性的にも成長していく感動物語です。


こと葉が悩み、壁にぶつかりながらも家族や友人、ライバルからまで励まされながら成長していく姿に胸を打たれました。


スピーチライターという仕事がテーマなだけに、言葉の力、素晴らしさが随所に語られていて、胸を打つスピーチがたくさん登場します。


特に心に響いた言葉は、久遠久美が絶望に陥った時に恩人にかけられた言葉として出てきたものです。


"困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している"


多くの困難に立ち向かいながら、こと葉は政権交代のチャンスに攻勢をかけている野党のスピーチライターに抜擢されます。
どんな結末が待っているのかも見所です。


この作品は、こと葉の明るいキャラクターもあって笑って泣ける物語でした。


原田マハさんの作品で読んでいないものがまだまだありますが、この「本日は、お日柄もよく」を読んで全作品読破への意欲がますます増幅しました。

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夏の書店のキャンペーン 2020

毎年の事だけど夏になると書店でいろんな出版社のキャンペーンが行われていて本屋さんの入り口が華やかに見えて良いですよね🎵


角川文庫のカドフェス、集英社文庫のナツイチ、そして新潮文庫の100冊。


それぞれ栞や、応募券を集めて景品や旅行が当たるキャンペーンをやっていますが、自分はそういったものには正直言って興味がありませんが、ズラーッと平積みで文庫本が棚に置かれている光景は壮観でテンションが上がります🎵


キャンペーン棚に置かれている小冊子(最近はリーフレットと言うらしい)を手にとってパラパラめくるだけでもワクワクするし、この中からどの作品を選ぼうかと考えるのは楽しくてまさに至高のひとときです✨

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本棚の前で考えに考えてやっとこさ選んだ1冊。

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もう少し我慢すれば給料日なので、その時はもっとまとめて大人買いしたいと思います。

歴史小説1冊目 「八本目の槍」今村翔吾(新潮社)

歴史小説でこんなに号泣したのは初めてです。
これからも繰り返し読んでみたい。
そう思えるくらい感動しました。


作者の今村翔吾さんは1984京都府出身。
「火喰鳥」で2017年にデビューし、数々の歴史・時代小説を書いていて、「八本目の槍」は第8回野村胡堂文学賞を受賞しました。

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僕は日本史、世界史どちらも興味があるので今までも数多くの歴史小説を読んできました。


特に戦国時代を舞台にした小説は戦場で武将たちが槍や刀を奮って戦う躍動感や、戦略・戦術を駆使した駆け引きの描写にワクワクしたり高揚感を覚えたりするので大好きです。


この小説も最初はそんなワクワクを感じたくて購入しました。
ですが、いい意味で期待を大いに裏切られました。
こんなに泣けるストーリーだったとは。

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この物語は賤ヶ岳の戦いで一番槍の武功をあげて天下にその名を轟かせた7人の武将、加藤清正糟屋武則脇坂安治片桐且元加藤嘉明平野長泰福島正則の生涯と彼等から見た石田三成の物語です。


彼等8人は少年時代に長浜城羽柴秀吉の下で小姓として勤め互いに励まし合い、切磋琢磨し友情を育んだ仲間でした。


賤ヶ岳の戦いでは武功をあげてそれぞれの名を天下に轟かせ、石田三成も彼等7人に次ぐ武功をあげて皆で称え合いました。


そんな少年たちもやがて成長して出世を遂げ背負うものが増えると対立し、関ヶ原では不幸にして敵味方に別れて戦う事に。


お互いを認め合いながらも敵味方に別れて戦った8人の武将たちの心情は?


この作品を読んで、むかし1990年代に放送された「愛という名のもとに」というテレビドラマを思い出しました。


大学時代にボート部で切磋琢磨した仲間たちが社会に出て揉まれて変わっていくけれど、みんなで集まればあの頃に戻れるという。


「八本目の槍」でも、大人になってそれぞれの道を歩んで疎遠になっていた頃に秀吉に8人が呼び出されるシーンがあります。


この頃には出世にも差が出ていて官職や治めている領地によって心にもギクシャクしたものがお互いに在りますが、やがて打ち解けてあの頃のように名前で呼び合い笑い合います。


また、この作品の重要なシーンとして小姓時代に8人で、石田三成が以前小僧として修行していた寺の境内にある大杉に願掛けに行く場面があります。


作品の中でも鍵になる重要なシーンなのですが、石田三成がすでに小僧時代に願掛けを済ましていてその願いがすでに叶っていると言います。


クールで冷たい印象の石田三成が掛けそうもない内容だったのでとても泣けました。


関ヶ原の戦いの時は不幸にして敵味方に別れて戦い、特に加藤清正福島正則加藤嘉明は反石田三成の急先鋒として戦いましたが、実はお互いを認め合っていて心のどこかで繋がっている。


この作品では他にもミステリー的な要素もあって、石田三成は処刑される直前に徳川家康が10年は身動き出来ない呪詛をかけたという謎の言葉を残します。


それが一体何なのか。


この謎を解いて石田三成の意思を継ごうと奔走するのが、三成と最も仲が悪く8人の中でも一番頭が悪かったはずの福島正則だったから余計に泣けます。


8人揃えばあの頃に帰れる。
戻る場所がある。


僕も疎遠になっている学生時代の友達に久しぶりに連絡してみたくなりました。


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ミステリー小説2冊目 「緑の窓口~樹木トラブル解決します」下村敦史(講談社文庫)

僕は自然が大好きです。川のせせらぎや野鳥の囀りを聴いていると心が洗われるようで、すごく癒されます。


特に森の自然が大好きで、以前は森林保護のボランティアにも参加していました。


だから樹木には関心があるし、少しは知識もあるので、書店でこの作品を見つけた時には思わず手にとってパラパラと読んでしまいました。

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この作品の作者の下村敦史さんは1981年京都府生まれ。
2014年「闇に香る嘘」で第60回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビューしました。


「死は朝、羽ばたく」「生還者」「黙過」などのミステリー作品を多数執筆していて、僕も以前「真実の檻」という作品を読んだ事があります。


「緑の窓口」は2020年4月に発売された、樹木にはまつわる事件を解決していくハートフルなヒューマンミステリーです。


真面目でお人好しの区役所職員の天野優樹と、美人だけどコミュニケーション能力に難がある樹木医の柊紅葉が区役所にある緑の窓口に寄せられた樹木に関するトラブルを解決していきます。


今まで元気だった樹木が急に衰えた原因は何か?
大切に育てていた木を誰がどういう目的で伐採したのか?といった樹木に関する数々の謎を解決することによって、その裏に潜む家族や隣近所の人たちの心のわだかまりをほぐしていきます。


主人公の区役所職員天野優樹とヒロインの樹木医柊紅葉が良いコンビで、お互いの足りない所を補いつつ、長所を活かして謎に挑む姿は読んでいてハラハラ、ときにはイライラしつつも応援したくなります。


柊紅葉にも母親との樹木に関するわだかまりがあり、それが何なのか、解決できるのかということと、そんな彼女に密かに片思いしている天野優樹の恋の行方も見所です。


できればシリーズ化してほしい、そんな作品です。

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