リアライズブログ

多様なエンターテイメントが出現して本があまり売れない時代となりましたが、本を読む習慣を持つことは大切なことだと思います。文芸作品を中心にジャンルを問わず読んだ本を紹介していきたいと思います。

青春・恋愛小説1冊目「本日は、お日柄もよく」 原田マハ (徳間文庫)

僕は原田マハさんの「楽園のカンヴァス」という作品に出会って以来彼女の作品に興味が湧いて何冊か読んできました。


原田マハさんの小説はどれも冒頭から作品の世界に引き込まれて、先が気になってしょうがないから最後まで一気読みしてしまいます。


だから全作品を読んでみたいと思うようになったのでこの作品もその一環で購入しました。

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今まで読んできた作品は「暗幕のゲルニカ」、「たゆたえども沈まず」、「リーチ先生」など絵画や陶芸といったアートをテーマにした作品が多い印象でした。


この前読んだ「風神雷神」も俵屋宗達が主人公のアートがテーマの作品でした。


でも、この「本日は、お日柄もよく」はアートとは関係がなく、スピーチライターという日本ではあまり馴染みのない職業に焦点を当てたお仕事小説です。


結婚式での友人のスピーチから大会社の社長や政治家の演説までその内容を考えて話し方をレクチャーする仕事です。


普通のOLだった主人公の二ノ宮こと葉が伝説のスピーチライター久遠久美との出会いをきっかけに人間的にも女性的にも成長していく感動物語です。


こと葉が悩み、壁にぶつかりながらも家族や友人、ライバルからまで励まされながら成長していく姿に胸を打たれました。


スピーチライターという仕事がテーマなだけに、言葉の力、素晴らしさが随所に語られていて、胸を打つスピーチがたくさん登場します。


特に心に響いた言葉は、久遠久美が絶望に陥った時に恩人にかけられた言葉として出てきたものです。


"困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している"


多くの困難に立ち向かいながら、こと葉は政権交代のチャンスに攻勢をかけている野党のスピーチライターに抜擢されます。
どんな結末が待っているのかも見所です。


この作品は、こと葉の明るいキャラクターもあって笑って泣ける物語でした。


原田マハさんの作品で読んでいないものがまだまだありますが、この「本日は、お日柄もよく」を読んで全作品読破への意欲がますます増幅しました。

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