リアライズブログ

多様なエンターテイメントが出現して本があまり売れない時代となりましたが、本を読む習慣を持つことは大切なことだと思います。文芸作品を中心にジャンルを問わず読んだ本を紹介していきたいと思います。

青春恋愛小説2冊目 「いなくなれ、群青」河野裕(新潮文庫)

真っ直ぐで美しく、ちょっぴり悲しくて切ない青春小説です。

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調べてみたら超有名な小説だそうで、恥ずかしながら、読書メーターで読んでみたい小説ランキングで一位をとったり映画化されていることも知りませんでした💧


魔女が支配する階段島という架空の島が舞台なのでファンタジーに分類されるのかもしれないけれど僕は敢えて青春小説のジャンルに分類したいと思いました。

思春期に誰もが経験する悩みや葛藤をファンタジー的な要素も交えて幻想的に描いたストーリーに強く惹かれました。



捨てられた人々が住むという魔女が支配する階段島にやって来た主人公の高校生七草は漠然とした不安を感じつつ、停滞した中にもささやかな安らぎを感じて平穏な生活をおくっていた。

そんなある日海沿いの道で幼なじみの少女真辺由宇と再会。

真っ直ぐで正しく、凛々しい彼女との再会が七草の生活を一変させ色々な騒動や事件に巻き込まれていく。



高校生なのに達観していてどこか諦めているような少年七草が曲がったことが嫌いで間違ったことは正さないと気がすまない少女真辺由宇に苛立ち、振り回されながらも寄り添っていく姿が健気で共感を覚えました。

それが七草や真辺由宇がこの島にやって来た理由の伏線にもなっていてその理由が悲しくて切ないです。

階段島に住む人々はなぜこの島にやって来たのか、なぜ島から出られないのか、島を支配する魔女とは誰なのかなど謎も多くて、ミステリーの要素が多いのもこの作品の魅力になっています。

そして、僕が一番魅力を感じたのは作品中に散りばめられている情景描写です。


島の様子や海、空といった物語のなかの風景が詳しく描かれていて登場人物がどんな場所、どんな状況にあるのかがありありと頭に浮かんできました。

特に、タイトルに群青があるせいか、夜景や夜空の描写が多くてこの作品が幻想的な絵画に描かれているようなイメージを僕は持ちました。

「いなくなれ、群青」という不思議なタイトルの理由が解ったときのなんとも切ない気持ちは忘れられません。



この作品はシリーズ化されていて全部で六作品あるようなのですが、タイトルにそれぞれ白だの赤だのと色がが付いているので作中でどの様に関わってくるのか気になります。

全部読破したて確かめてみたいと思いました🎵


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