睡眠こそ最強の解決策である マシュー・ウォーカー 桜田直美(訳) SB Creatibe
僕は1971年生まれの50歳。
団塊ジュニア世代だ。
大学卒業の時期はバブル崩壊のあおりを受けて就職氷河期となり、就職先が決まらず不本意ながら非正規労働者として働いている人が多い最初期の世代だ。
僕はかろうじて正社員として就職できたが自動販売機にジュースを補充する、社員数が10人にも満たない小さな会社だった。
月収は毎月手取りで16万円ほど。やりたいことも我慢して一人で食べていくのがやっとだった。
その後、何度か転職を経験したが、年収300万円以下の低い収入のまま。
将来に不安を抱えたまま結婚して家庭を持つこともできず、海外旅行といったやってみたいこともできずに50歳になってしまった。
それでもこの間コツコツ節約してためたお金を投資に回して資産を増やしてきたおかげでどうにか老後はお金に苦労せずに楽しく暮らしていけそうな見通しが立ってきた。
しかしこれから不安になってくるのが健康面に関してのことだ。
せっかく結婚もあきらめて若いころに出来なかった楽しいことをこれからやって人生を楽しみたいと思っている矢先に大きな病気を患ってその治療のためにせっかく作った資産を使ってしまうのでは自分は何のために生きてきたのかわからない。
そこで、まだまだ健康な今のうちから長生きするために必要な知識を身に着けて実践していこうと思う。
健康のために重要とされるものは食事、運動、睡眠の三つだと思うので、そのうちの一つ、睡眠に関する本を書店で見つけたので手に取ってみた。
あらすじ
睡眠が健康にとっていかに重要であるかをあらゆる角度から検証し、生活習慣から会社や学校の時間といった社会システム、国の健康政策にまで提言している。
また、生命や人類の進化と睡眠の関係、受験生や学生に役に立つ睡眠と記憶力についてや、子育て中の親に役に立つ子供と大人の睡眠サイクルの違いなど、多くの調査や実験などで明らかになった、あらゆる世代に役に立つ知識が詰まっている。
感想
しかし、自分が最も知りたいのは健康で長生きするためには睡眠をどのようにとって活用していけばいいのかということなのでそれ以外のことが書かれている箇所は流し読みした。
重要なことがたくさん書かれているが、それぞれの世代や個人の事情によって興味のある個所は違うと思うので興味のある人はぜひ購入して読んでみてほしい。
僕が知りたかったのは次の3つ。
- 睡眠をとらないとなぜだめなのか、体にどんな悪影響があるのか。
- 睡眠をどれくらいとればいいのか。
- 良い睡眠をとるにはどうすればいいのか。
1,今はどうか知らないけど、僕が若いころは書店のビジネスコーナーへ行くと成功者たちが書いた、睡眠は少なくてよいという内容の本がたくさん並んでいて、自分もうのみにして一日4時間睡眠を実行していたこともあった。続かなかったけど。
この本によると睡眠時間が4時間などとんでもない!
6時間か7時間を下回る状態が長く続くと、免疫機能が衰え、がんのリスクが2倍にもなる。ほかにもアルツハイマー病を発症するかどうかのカギも握り、心不全などを発症するリスクも高まるという。
また、目に見える病気だけではなくうつ病、不安、自殺傾向といった様々な心の問題の原因にもなる。
ほかにも睡眠が足りないと空腹を感じるホルモンが大量に分泌され、逆に満腹を感じるホルモンは少なくなり、その結果、際限なく食べたくなって肥満の原因となる。
睡眠不足は確実に寿命を短くするのだ。
2,では睡眠はどれくらいとればいいのかというと、この本によると「平均して覚醒が16時間、睡眠が8時間が最適なバランス」と書いてある。
健康に生きるために必要な睡眠時間は8時間ということだ。
逆に、これ以上長くても意味はないらしい。
3,では良い睡眠をとるにはどうすればいいのかだが、この本の巻末付録には「健やかな眠りのための12のアドバイス」というのがついているので是非参考にしたい。
この12の項目を毎日実践するのはなかなか大変だと思うが、著者によるとこの中でどれか一つだけ守るなら、1つ目の「いつも同じ時間に寝て、同じ時間に起きる」だけでも実行してほしいと書いてある。
規則正しい習慣が健康にとって重要だということがわかる。
最後に
僕が一番知りたかったことが書いてある第8章、「睡眠不足が寿命を縮める 」の冒頭に、睡眠は健康のすべての基盤であり、その基盤の上に食事と運動という2本の柱が立っていると書かれている。
まさにその通りだと感じた。
この本に書かれていることを実践して健康に100歳まで生きて、残り半分の人生を楽しもうと思う。