団塊ジュニアおひとり様のひとり言

50代未婚。田舎の実家に高齢の両親を残し、都会で独り暮らししながら運送会社に勤務。年収300万円未満。近い将来親の介護で離職してたちまち貧困に陥るのではないか、あるいはもっと先には誰にも看取られず寂しい孤独死が待っているのではないかと常に不安を抱いている団塊ジュニア世代。

スポ魂アニメの金字塔「アタックNo.1」を観た感想

昭和46年(1971)生まれ、団塊ジュニア世代、おひとり様。

 

今日も愛知県の片隅で細々と生きています。

 

僕は手取り月収が24万円そこそこしかないので、泊りがけの長期旅行をするとか、モノを収集するようなお金のかかる趣味はできません。

 

それでもたった一度の人生、物質的な豊かさは得られなくても、せめて心の豊かさは手に入れたい!

 

人はパンのみに生きるにあらず

 

です。

 

それで、お金がなくても、恋人や奥さんがいないお一人様でも楽しめる趣味は何かと考えました。

 

読書、散歩、料理など思い浮かびますが、映画やアニメを鑑賞するというのもあります。

 

今は一本一本TSUTAYAでDVDを借りてこなくても、アマゾンプライムやネットフリックスといったサブスクリプションがあって、定額料金を払えば見放題なのであまりお金をかけずに楽しむことができなす。

 

中でも僕は子供のころからアニメが大好きなので、アニメがたくさん観れるものがいいと思い、アニメ専門チャンネルであるdアニメストアに加入しました。

 

こちらは月額550円で5000作品以上が見放題なので、天気が悪くて出かけられない休日などは1日中アニメを観て過ごしたりしています。

 

「葬送のフリーレン」や「薬屋のひとりごと」といった現代の人気アニメから、子供のころに見ていた懐かしい昭和のアニメまで楽しんで観ています。

 

昭和のアニメと現代のアニメではストーリーや主題歌、映像のクオリティーなど、良い、悪いは別としてかなりの違いがあり、見比べていて面白いです。

 

放送回数も昭和のアニメは何年も放送する作品もあって、短いものでも半年や1年は続くものがほとんどなのに、現代のアニメは民放のドラマみたいに3か月で終了してしまう作品が多いのが、昭和のアニメを観ていた僕には新鮮でした。

 

昭和のアニメは回数が多いのですべて見るのに結構時間がかかります。

 

例えば昭和のロボットアニメの名作シリーズのマジンガーZは全92話、グレートマジンガーは56話、UFOロボグレンダイザーは74話とすべて1年以上放送していますが、現代のアニメは3か月12話くらいで終わるものが多くて、長くても半年、それ以上になるといったん終了して何年後かに2期を放送するというというパターンが多いようです。

 

僕が今視聴している「アタックNo.1」は全部で104話、1969年~1971年にフジテレビ系列で放送されたアニメです。

 

このアニメが注目を浴びたことがきっかけで、フジテレビは現在までバレーボール中継に力を入れるようになったそうです。

 

アタックNo.1」は漫画コミックとしても少女漫画史上初めて10巻を超えた作品として歴史にその名を刻んでいます。

 

60年代末から70年代初めと言えば、僕はまだ生まれたころで、再放送や2005年に上戸彩主演でドラマ化されたものも含めて今まで観たことはなかったのですが、昭和のスポ魂アニメとして「巨人の星」や「エースをねらえ!」と並んで避けては通れない作品だと思い、観ることにしました。

 

あらすじを説明すると、主人公の鮎原こずえが中学、高校とバレーボールで全校優勝を目指し、社会人になってからは全日本のメンバーに選ばれて世界の強敵に挑むという、「キャプテン翼」と似た内容です。

 

しかしそこは昭和のスポコンアニメ。

 

節目節目で主人公の足を引っ張ろうと妨害工作をするライバルが現れて鮎原こずえを苦しめます。

 

昭和のアニメやドラマは例えば「小公女セーラ」とか「おしん」のように周りからのいじめや困難をひたすら耐えて、そのうち奇跡が起こって状況が好転するのを待つというパターンが多かったような気がするのですが、鮎原こずえは違います。

 

足を引っ張ろうとする人が同級生であろうが上級生であろうが本人のところに直接乗り込んで、怒鳴り合うわ、張り手の応酬になるわ、最後には取っ組み合いの喧嘩をするわで、ただただ耐えるだけのヒロインではありません。

 

また、練習の方法が納得いかなければコーチや男子生徒にもはっきりモノ申すという気が強い少女なのです。

 

それが見ていてスカッとします。

 

それでも最後には妨害していた同級生や上級生とも固い友情と絆で結ばれ、コーチとも信頼関係を築くのです。

 

とくにコンビを組む早川みどりとは、はじめはキャプテンの座を巡って争い、激しく対立していたのですが、和解の後、お互いを無二の親友として切磋琢磨して支え合い、ともに全国優勝を目指す関係となります。

 

まだ男女機会均等法も成立していない頃の昭和のアニメでありながら強い女性を描いている「アタックNo.1」は僕にとっては意外な感じがして新鮮でした。

 

それにしてもさすが昭和のアニメ。

 

今の世の中の基準だとアウトじゃないかという描写も多々あって、観ていて面白いです。

 

例えば、主人公をはじめ中学や高校の女子生徒が学校の職員室や自宅にいるコーチに悩みを相談するために訪ねてきているのに、話を聞く前にまずはタバコに火をつけて紫煙をくゆらし、受動喫煙をさせているとか、練習に身が入らない女子選手にビンタしたりとか。

 

また、鮎原こずえの恋人の一ノ瀬努は実家の八百屋の手伝いとはいえ、中学生にもかかわらず「巨人の星」の花形満のようにバイクやオート三輪を運転して野菜を売っています。

 

昭和39年の東京オリンピックで金メダルをとった全日本女子バレーボールチームのように鮎原たちはオリンピックに出られるのか、そして、鮎原こずえの夢である世界一のアタッカーになれるのか?

 

機会があればぜひ観てください。

 

子供のころに夢中になってみていた昭和のアニメを50歳を超えた大人になってから改めて観たらどのように感じるのかまだまだ色々観てみたいです。