団塊ジュニアおひとり様のひとり言

50代未婚。田舎の実家に高齢の両親を残し、都会で独り暮らししながら運送会社に勤務。年収300万円未満。近い将来親の介護で離職してたちまち貧困に陥るのではないか、あるいはもっと先には誰にも看取られず寂しい孤独死が待っているのではないかと常に不安を抱いている団塊ジュニア世代。

トラック業界は大変だ

昭和46年(1971)生まれ、団塊ジュニア世代、おひとり様。

 

今日も愛知県の片隅で細々と生きています。

名古屋城天守

4月に入り気温が20度台まで上がる暖かい日が増えてきました。

 

季節の変わり目で天気が目まぐるしく変わったり、昼と夜との寒暖の差が激しいせいか、体調を崩して会社を休む人増えてきました。

 

僕は大手コンビニの店舗に直接荷物を搬入するトラック運送会社に勤務しているのですが、センターを立ち上げた時から慢性的な人手不足で、誰かが休むとその穴を埋めるためにやりくりが大変です。

 

例えば普段は別の荷物を運んでいる他の部署から人を借りて来たり、どうしてもセンター内で人員確保できないときには、土地勘がないにもかかわらず他県の営業所から来てもらわなくてはならないこともあります。

 

僕は勤続10年を超えていますが出入りの激しいこの会社ではかなりベテランの域に入るので、新人には難しい、病院や図書館といった施設内にあって、トラックの駐車位置や荷物の搬入のやり方が複雑、などの癖が強い店舗や気難しいオーナーがいる店舗など、急に自分の担当しているエリア以外のコースにまわらされたりします。

 

僕は元々は地元である石川県の本社の物流センターのドライバーとして入社したのですが、愛知県に物流センターを立ち上げることになり、地元愛知採用のドライバーが仕事を覚えて独り立ちするまで一時的に愛知県内の配送をするということでやってきました。

 

しかし、ふたを開けてみれば、なかなか人が集まらず、入っても短い期間でやめていくことが多くて、2~3か月で石川県に戻るはずがあれよあれよと気が付いてみればもう10年以上こちら愛知県で働いています。

 

夕方から早朝までの長時間労働のわりに賃金が安いこともあり、家族で暮らしている人にとっては条件が悪いのでしょう。

 

だから同僚は中高年の単身者が多く、ドライバーの平均年齢は高いです。

 

若者が入ってこないというのも問題です。

 

実際、トラック運転手の4割は僕のような50代だというデータもあります。

 

うちのような会社でドライバーをするためには中型や大型の免許が必要ですが、法律が変わって、昔に比べて条件が厳しくなって若者が免許を取りづらくなっているのです。

 

僕ら中高年が普通免許を取得したころはそのまま中型のトラックを運転できたのに、今では20歳以上で普通免許を取得してから通算2年以上運転経験がないと中型トラックの免許を取得できないというのです。

 

これはもう、ワンピースのルフィーではないけれど、「トラックドライバーに俺はなる!」と明確な目標がないとなかなか取得する若者はいないでしょう。

 

ですが、今時そんな若者がたくさんいるだろうか?いや、いない。

 

ユーチューバーが、なりたい職業ランキングに入るような時代です。

 

プログラマーやAIエンジニアといった新しい職業に魅力は感じても、きつい汚い危険の3Kがそろい、長時間労働、低賃金のトラック物流業界に魅力を感じる若者は少ないでしょう。

 

将来的には全自動運転のトラックが走って、AIを搭載したロボットやアンドロイドがは実用化されてドライバーなど必要なくなるのでしょうが、まだまだ何十年も先の話でしょう。

 

僕が今の会社に入ってからでもドライブレコーダーで走行スピードが監視されたり、アルコールチェックが厳しくなったり、さらに2023年の10月からはトラックの荷下ろし作業中のヘルメット着用が義務付けられるなど、今までは比較的緩かったことがどんどん厳しくなってきました。

 

もちろんコンプライアンスを守ることや安全に繋がることは、不祥事続きでイメージの悪いトラック業界にとっては大いにやるべきことなのですが、コストがかかりドライバーが負担に感じることばかりで、それに見合った賃金の上昇といったドライバーの待遇改善につながっていないというのが現場の僕が感じることです。

 

2024年問題もあってますます慢性的な人手不足で高齢化も進むトラック物流業界が、これからどうなっていくのか、もうしばらく現場から見守っていこうと思います。